小さな白い花が花序を作る、ヌマトラノオとオカトラノオ。なんとなく似ているけれど、よく見比べると結構違う。
過去写真を整理していたら、宮崎県北で撮影したオカトラノオの写真が出てきた。先日せっかく川南湿原でヌマトラノオを見たばかりなので、沼と丘とで比較してみようと思う。
ヌマトラノオ
沼虎尾学名 Lysimachia fortunei
サクラソウ科オカトラノオ属の多年草
オカトラノオ
丘虎尾
学名 Lysimachia clethroides
サクラソウ科オカトラノオ属の多年草
ヌマトラノオとオカトラノオの比較
まず簡単に違いをおさえる。
オカトラノオは
- 花序が曲がっている。(ヌマトラノオはまっすぐ)
- 花の咲き方が上部(空のほう)に偏る。(ヌマトラノオは偏りなく一様に分布)
- 葉の幅が広くて立派に見える。(ヌマトラノオは細長い)
- 草原性。(ヌマトラノオは水湿地性)
最後の項目なんてもはや名前の通りなのだが、それじゃつまらないので形態を比較してみる
花序
ヌマトラノオの花序。曲がることなくまっすぐ上へ伸びる。直立する花序はどの図鑑でも触れられている最大の特徴。
オカトラノオの花序。虎の尾の名に恥じぬ曲がりっぷり。写真のように下垂するまで曲がる株があれば、シュッと真横に曲がって伸びる株もある。
花のつきかた
ヌマトラノオの花のつきかた。天地や左右で偏ることなく、一様に花をつける。花の密度もオカトラノオよりまばら。
オカトラノオの花のつきかた。上になる側に偏って開花する。また花の密度も濃くて、ヌマトラノオよりも美しい印象。
花のアップ
ヌマトラノオの花。花弁が開ききらず、切れ込みも実際より浅く見える。ひとつひとつ花がこじんまりとしていて、花と花の隙間が多い印象。
オカトラノオの花。花弁が開ききってひとつひとつが大きく見え、隙間なく花序を覆う。また花弁の切れ込みも深く見える。おしべの葯が、花弁が開いて飛び出しているのも相まって、ヌマトラノオの物より目立つ。
葉
ヌマトラノオの葉。長楕円形で細長い。葉が花序よりも大きくならない。華奢な印象。
オカトラノオの葉。卵形で幅が広い。花序と同程度か、それ以上の大きさになる。
ヌマトラノオとオカトラノオ。書けば書くほどオカトラノオのほうが容姿端麗だけれども、実は僕はつつましやかなヌマトラノオが好き。みんなはどっちだろうか。
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