洞窟でキクガシラコウモリに出会った。不思議な鼻の形をアブラコウモリと比較。

動物
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コウモリの住んでいる洞窟

県北の山の中を祖父といっしょにうろうろしていたら、なんともいい感じの洞窟を発見。

岩だらけの林内の、横たわる巨大な岩盤の下に、高さ1mもないくらいの隙間。そこまで広くはないけれど、中には空間が広がっている。
実はここ、ちょうど一年前に発見した場所で、なんと中にはコウモリが住んでいるのである!
言わずもがな夜行性のコウモリは、昼間はこういった洞窟や、人家の屋根裏などですごしている。
ということで、一年ぶりにお邪魔しま~す!

キクガシラコウモリを発見!

中はまっくらなので、ライトを照らして歩く。地面は岩だらけなのでとても歩きづらい。天井も低いので、歩く、というより這って移動している感じ。ところどころ水も滴っている。
天井を照らしてみると……いた! 人間の握りこぶしくらいの大きさの黒い塊がぶら下がっている!
(。-`ω-)もう少し近づいてみましょっ顔が見えた。ちゃんと光が当たると、コウモリの真っ黒なイメージとは違って、案外明るいきつね色をしている。

さらにアップしてみる。(*‘∀‘)おおお、なかなか近づけた!
小さな足なのに、がっちり岩をホールドしていてすごい。

日本はコウモリ大国らしい。全世界の哺乳類で一番大きなグループがげっ歯類、ついで大きいのがコウモリの仲間らしいが、日本ではげっ歯類を抜いてコウモリ類が最大のグループなのだそうだ。約40種類といわれるコウモリの中で、今回出会ったのはキクガシラコウモリ、という種類。アブラコウモリと並んで、身近なコウモリの代表格だ。洞窟の中で大集団ですごしているイメージが強いけれど、この個体のように単独でいることもしばしばのよう。今回訪ねた広さ4~5畳程度の洞窟は、この子の独擅場になっていた。

ちなみに、この写真は去年同じ洞窟で撮影したキクガシラコウモリ。コウモリ類は一般に長寿らしいので、去年と同じ個体じゃないかと思う。20ℊ程度しかないキクガシラコウモリなのに、20年生きたという記録もある。「またおなじ人間が来た」と思われただろうか。

(まったく関係ないけれど、コウモリが急に飛び立ってびっくりしてこけた拍子に撮れた岩だらけの地面。洞窟に入るときはケガしないように気をつけてください。僕は足をすりむきました)

名前の由来は鼻の形。アブラコウモリと比較

キクガシラコウモリ、を漢字で書くと「菊頭蝙蝠」。ユニークな鼻の形を菊になぞらえてつけられた名前だ。「花のような鼻」ということらしい。
エコーロケーション(反響定位)で名高いコウモリたちには、超音波を「口から出す」やつらと「鼻から出す」やつらがいる。
アブラコウモリなど、口から出す派のコウモリの顔はシンプルなのだが、鼻から出す派のコウモリたちは、鼻とその周囲が超音波に指向性を待たせるためにアンテナのように広がった独特の「鼻葉」という構造を持っている。キクガシラコウモリの「花のような鼻」も、この鼻葉によるものだ。

過去の写真をあさってみると、アブラコウモリの死体の写真が出てきたので、鼻の形を比べてみようと思う。
まずはアブラコウモリ。鼻はちょこんとしたサイズで、犬のような顔にも見える。代わりに口は大きく開く。大きな耳は反響した超音波を拾うために進化したようだ。

次にキクガシラコウモリ。鼻の下から額まで、お皿のように鼻葉が広がる。うにゅうにゅとしたなんとも説明のしづらい形だ。耳は同じく大きい。

どちらも、顔や大きな耳に不釣り合いに小さい目をしていて、なかなか愛嬌がある。今度は飛んでいる姿も取りたいので、また来年もお邪魔しようと思う。

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