クリスマスに富田浜で見つけた青い大きなクラゲ・ビゼンクラゲ?

動物
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プロローグ~ヘンテコなものを発見~

クリスマスの日のこと。

(´・ω・) サンタクロースが太平洋上空を高速移動してるうちに落っことしたプレゼントとか、流れ着いてねーかなー

などと思いながら、大学二年生の少年はひとりぽっちで宮崎の砂浜を歩いておりました。富田浜(とんだはま)というヘンテコな名前の砂浜です。さぞヘンテコなものが流れ着いているに違いありません。
するとそこには……

少年が思っていたよりもだいぶヘンテコなものが流れ着いておりましたとさ。

青い物体、触感はナタデココ

この、謎の青い物体。サンタの落とし物にしては気味が悪すぎる。(こんなの子どもにプレゼントしたら、クリスマスにちょっとしたトラウマを残すだろうよ)

いったいこれは何なのか、いろいろといじくってみることにした。

近づいてよく見てみる。それにしても、自然界のものとは思えないきれいな青。しかも半透明。はじめは何かの作り物か宇宙人の卵じゃないかと思った。

硬そうにも軟らかそうにも見える。が、果たして触れても大丈夫なものなのかよくわからないのが怖いところである。ひとまず人差し指でつついてみると、やや硬めのゴムや、ナタデココのような質感、そしてやや生臭くなってしまった指先。

大きさはこんな感じ。靴の大きさが26.5㎝なので、直径30cmくらいだろうか。実際に見つけたらギョッとするくらい大きい。

ひっくり返してみる。
手が臭くなると嫌なので流木を拾ってきたのだけれど、このブツ、木の棒で扱うにはなかなかに重たいのである。

(; ・`д・´) お、なんかこの角度、クラゲっぽい!(まあ、宇宙人もこんな感じかもしれないけれど)

 

こちら側の面は、つるっとしていて目立った構造物はない。

クラゲ、かな? というところまではわかったけれど、クラゲはおろか、海洋生物に関する知識も図鑑も全く持ち合わせていない素人なので、専門家の御指南を仰ぐことにする。

青いクラゲの正体は……?

(`・ω・´) よし、水族館の人に聞いてみよう!

と思っても、水族館に知り合いはいない。悩んだ末に、大分マリーンパレス水族館「うみたまご」のアドレスを調べてメールをしてみた。

(↑うみたまごのサイトマップから、「お問い合わせ」というページを開くと、メールアドレスがわかりました)
年末だし、こんな宮崎の学生のクラゲ話なんか聞いてくれるんだろうか……と内心ドキドキしながら、写真を添付して送信。
「この青いクラゲは何者なのでしょうか? あとこの青色は死後変化ではなく元々の色なのでしょうか?」

すると翌日、返信が!

≪前略≫
さて、お問い合わせの件ですが、

おそらくビゼンクラゲ(スナイロクラゲ)ではないかと思います。
(スナイロクラゲは現在ではビゼンクラゲと同種と考えられています)
写真を確認させていただきましたが、
潰れており細かい形態がわからないため断定はできませんが、
色や大きさ、季節などからビゼンクラゲが一番可能性が高いと思います。

また、この青い体色は元々もっている色です。

ちなみに大分県では、私の知る限りビゼンクラゲの目撃情報がありません。
宮崎県で見られるのなら、いそうなものですが・・・
≪後略≫

なんとご丁寧なメール! 担当者さま、本当にありがとうございます!

ビゼンクラゲ(スナイロクラゲ)

ビゼンクラゲについて調べて分かったことを少しばかり。

・傘の直径は40~50㎝、重さは10㎏ほどになる
・色は青みがかっていることが多い
・けれど、有明海ではアカクラゲと呼ばれている
・毒はなく、食用になる
・備前(現岡山県)の児島湾でよく取れたため、備前海月(びぜんくらげ)
・けれど、現在も漁業が継続されているのは有明海のみ

日本海区水産研究所さんが、ビゼンクラゲ・ヒゼンクラゲ・エチゼンクラゲの識別ポイントがしっかりまとまっている資料を公開してくれているので、勉強になる。

確かに僕の写真だけでは、ビゼンクラゲと断定はできないようだ。

エピローグ~うかつに触れないほうがいいよ~

幸運にも、今回のビゼンクラゲ(と思われるクラゲ)は触っても大丈夫な種類だったけれど、ひろい世の中、おそろしい生き物もいる。
特に、海辺に打ちあがっている青くてクラゲみたいなものとなると、カツオノエボシという有毒種がいるらしい。クラゲみたいだけどクラゲではない変な奴。ビゼンクラゲよりは幾分小さい。打ちあがって死んでいても、刺胞の毒は残っているため、うかつに触れると刺されて炎症に苦しむことになる。

もしあれがカツオノエボシだったら、とんだ悲劇のクリスマスだったろう。サンタさんに感謝しつつ、今後はうかつに触れないようにしようと心に誓った大学二年生であった。

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