秋枯れの野原にも・ヤマハッカ。青紫色の小さな花が整列します

植物

秋の植物が好きだけれど、ちょいとあくびをしている間に姿を消してしまうのが残念というか、寂しいというか。
そんな秋後半の、ほとんど花が枯れてしまった中で、なにくそ花を咲かせているヤマハッカにご注目。

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ヤマハッカ

山薄荷
学名 Isodon inflexus
シソ科ヤマハッカ属の多年草
秋に山野の草地でふつうにみられる。

ヤマハッカの全草

この株は高さ30センチほど。大きいものだと高さ50cmを超える(40~100cmとしている図鑑もあるけれど、100cmもある株はお目にかかったことがない)。まわりの草が枯れて殺風景になっていることもあってか、青い花をつけてスっと立ち上がる姿は目につきやすい。葉は対生する。

ヤマハッカの花

花は青~青紫色。ときに白花株もあるらしい。適当についているように見える花だが、全方位に向かっては咲かず、ひとつの茎につく花は片側に偏っている。

 

片側に偏ってつく花の、後ろの方から撮った写真。段々重ねに花が咲く。おおもとの茎から二本の花柄が伸び、それぞれの花柄が2~4本ほどに分枝し、合計で4~8個ほどの花がずらっと首を並べるように咲き、これで一段。これが何段も重なっている、という感じ。整列して咲く様子がなんとも整頓されていて気持ち良い。

 

花のアップ。うちわというか、ゾウの耳というか、花の上方に広がっている部分を上唇、その下から正面に突き出している構造物、ゾウでいうなら鼻に当たる部分を下唇という。上唇に走る4本の濃紫斑が特徴。

 

横から見た花。紅紫の萼(がく)から、淡い青紫の花がニュウっと出てきている。花も萼も短毛にびっしり覆われている。花の中央にちらっと見えているのが雌しべで、おしべは突き出している下唇にくるまれるように収納されている。そのため雄しべは見えづらい。

ヤマハッカの茎、葉

茎の様子。シソ科の植物の茎は四角い。触るとよくわかる。茎にも葉にも短毛が生えている。

 

葉は対生する。鋸歯があり、全体の形としてもシソの葉をそのまま小さくしたようである。葉柄には翼がわずかにつく。株の下方につく葉ほど大きく、上方につく葉ほど小さくなる。

 

葉の裏。やや白っぽく、やはり短毛が覆う。葉脈がとても強く浮き上がってきれい。

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